当社「GPS/AHRS」がソフトウェアを搭載した民間航空機用装備品として初めて国土交通省の仕様承認を取得

2024-09-19

当社が開発したGPS受信機を搭載した姿勢方位基準装置「GPS/AHRS（ジーピーエス・エーハース）」 （Global  Positioning System / Attitude and Heading Reference System、当社の形式：TA7879） が、国土交通省からソフトウェアを搭載した民間航空機用装備品として初の仕様承認を取得しました。

仕様承認を取得する理由と、取得までの経緯は？

新たに開発される民間航空機は、機体ごとに設計・構造・強度・性能等が技術基準（耐空性基準）に適合するか検査し、航空法に基づいて国土交通大臣による合格証明（型式証明）を受ける必要があります。
航空機に搭載する装備品が仕様（型式）承認を取得していない場合には、その航空機の型式証明の手続きにおいて、航空機メーカーによってその装備品が技術基準（耐空性基準）に適合していることを証明しなくてはなりません。
一方で、既に仕様（型式）承認を取得している装備品を搭載する場合には、航空機の型式証明の手続きにおいて検査の一部を省略でき、航空機メーカーの負担が軽減されます。
当社では、民間航空機にGPS/AHRSを始めとする慣性装置を幅広く採用してもらうことを目標とし、まだ仕様承認を取得している装備品は少ないという現実を踏まえた上で、新たなモデルケースを作り上げるべくJAXAからの支援を受けながら仕様承認の取得に取り組んでまいりました。
2017年から仕様承認の取得のための申請準備に取り掛かり、2019年10月に開発設計をスタート。その後、開発審査を経て製造した製品の検査・試験を行い、今年7月に仕様承認を取得することができました。
尚、このGPS/AHRSはソフトウェアを搭載しており、RTCA DO-178Cソフトウェア認証を適用した装備品で、ソフトウェアを搭載した装備品が仕様承認を取得した国内で初めての事例となります。

GPS/AHRSとはどのような製品か？

「GPS/AHRS」は、MEMSジャイロと加速度計 各3個（各3軸）に、GPS受信機のデータを加えた複合航法演算により、動いている航空機等の姿勢（ピッチ、ロール）と方位角（ヨー）を出力し、機体の姿勢や機首が向いている方位を正しく検出する装置です。
複合航法演算とは、GPSからのデータと、MEMSジャイロ及び加速度計の信号との差をもとに、カルマンフィルタによってMEMSジャイロと加速度計が持つ誤差を推定する演算で、これによりMEMSジャイロ及び加速度計から導き出される姿勢と方位角のデータの精度を向上させることができます。
MEMSジャイロは他の原理のジャイロと比較して小さく安価である一方で精度が低いという課題がありますが、複合航法による精度の向上によってそれを改善し、高精度・小型・低価格なAHRS（エーハース）を開発することができました。
また、外部からの磁気センサのデータを入力することで、GPS信号が遮断された場合でも方位角を出力することが可能です。

当社のGPS/AHRSについて （製品仕様等）

当製品は、以下の展示会で出展します。ぜひお越し下さい。

□ 第5回フライングカーテクノロジー展（エヌプラス（N-Plus）2024）
会　期：2024年10月9日（水）～11日（金） 10:00～17:00
会　場：東京ビックサイト 東6ホール
ブース：S-73 （CerTCASブース内）
URL　：https://www.n-plus.biz/

□ 2024国際航空宇宙展
会　期：2024年10月16日（水）～19日（土）
会　場：東京ビックサイト 西ホール
ブース：W2-013（長野県産業振興機構ブース内）
URL　：https://www.japanaerospace.jp/jp/

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